【ロゴデザイン】バカラ、製造したグラスの半分は破棄

1764年、ルイ15世の認可を受けてできたガラス工場、バカラはここから始まった。
パリから400kmほど離れた“バカラ村”という場所で、理由はガラス製造の工程に必要な資源等が豊富にあったからだとか。
250年以上の歴史を持つバカラ。現在、世界最高峰とされるクリスタルガラスは世界中の人に愛されている。

バカラグラスは1客で数万円。高いものでは数百万円を超える。
しかし、この金額設定は由緒があるという理由だけではなく、250年も受け継がれてきた職人達の技術やガラス製造にかける“異常なこだわり”からもきている。
まず、バカラの代名詞”アルクール”というグラス1客の製造にかかる時間は10時間。稼働する職人の人数はなんと30人。

それだけではない。バカラの水準に満たないとされるグラスは破棄され、世に出回ることはない。
しかもその破棄率は約“30〜50%”だ。
30人ほどの中規模の会社が、社員全員でかつ残業込み10時間かけて作ったものを、半分も破棄する。これは異常という言葉以外見つからない。

デザイナーにとってもそうだが、こだわりというものは非常に扱いづらく難儀なもの。
ただ”こだわる”という行為に満足している人もいれば、想いが強すぎて間違った方にこだわっている人もいたりする。
ただ、あの時こだわらなかったと後悔するぐらいなら、間違ってもいいからこだわる方を選んだ方がいいとは思う。